スチームランナー

15年ぶりの全国大会出場を目標に製作されました.
地区大会を勝ち上がるために,優勝ではなく審査員推薦を狙いました.
戦略通りアイデア,技術,デザインを審査員や観客にアピールすることができ,15年ぶりの全国大会出場を果たしました.
最速1分10秒程度でゴールできますが,地区大会と全国大会では高速ロボットと対戦し,1回戦で敗北しました….
二足歩行ロボット「SLマン」
八代駅へと疾走するスチームランナー.
駅にたどり着いたロボットは乗客を乗せて力強く走り出します.
目指す先は,そう国技館!!
多彩なギミックと美しい外装を持ち合わせたSL型ロボット,スチームランナー.
TVだけでは伝えきれないスチームランナーのヒミツを大公開.
  • 歩行機構
    コレが噂の友田機構(笑).
    カムと揺動クランク機構により二足歩行を実現するオリジナルの機構です.
    何となくSLっぽいでしょ? 「カシャカシャ」と音を立てながら歩くところもSLっぽく見える理由の一つかもしれません.
  • 旋回機構
    足裏に旋回板を付けることで旋回します.
    旋回板自体には剛性がなく,足裏を構成する角パイプに押し付けて剛性を確保しています.
    タイミングプーリーでモーターの駆動力を伝動しています.
    足裏の薄さが自慢です.(ボルトの頭をあわせても23mm位の厚さ)
  • 自動連結
    全国で唯一,乗り物を連結ゾーンに引き込むところから連結完了するまで自動で行っています.
    実は,ルールの読み違いでこのアイデアが生まれました.
    ルール上,ロボットの力だけで連結を行う場合,乗り物を連結ゾーンに引き込む必要があります.
    しかし,これを人間が行うことを読み落としていました.
    アイデア審査結果とルール,FAQを確認し,矛盾を運営に質問したところ,問題ないことを確認できました.
    乗り物のピンに腕先端の歯車を押し付けます.
    その後歯車を回転させて乗り物を取り込みます.
    腕の一部が乗り物のある部分に触れることにより,ロックがはずれ乗り物のフレームが倒れてきます.
  • この鍵もなかなかの優れものなんです.
    ロボットの竿を伸ばし,鍵を鍵穴に接触させます.
    すると,ロックが外れてバネの力で鍵が勝手に鍵穴にかみつきます.
    位置合わせが悪くても竿を何度も上下させればいつかは噛み付くという意外に堅実なシステム.
    実は大会ではテストランも含めて一度も失敗がありません!
    この美しい曲線を見よ!鍵の材料はアクリル丸棒.
    ろうそくの炎で炙りながら丸棒を曲げて作りました.
    後ろで板を持って,背景代わりになっていますが,この板は乗り物で操縦者が座るところで使われています.
    この鍵の機構は,モグラとりを参考にしています.
    ちなみに地区と全国では,デザインを変更しています.
    全国verのデザインの元ネタを理解した部員は,2015年度現在1名しかいません.
  • 回路・プログラム
    メインのマイコンはBestTechnology社のH8/3687,IDEはGCC Developer Liteで言語はCです.
    ピン数と機能の問題から,マイコンは2つ使用しています.
    お互いが通信しているわけではありません.
    バッテリーは,回路用は9V箱電池or乾電池×(6or8),駆動用はNiCd 12Vです.
    コントローラーは,FUTABAのラジコンプロポである送信機「T9CAP」と受信機「PCM1024」です.
    モータドライバ回路(MDC)は,リレーとMOSFETの組み合わせでした.
    しかし,負荷が大きい歩行機構など重要な場所にはアンプを採用しました.
    当初は,PchとNchのHブリッジを作っていましたが,制御がよくないのかFETが燃えるばかりでした.
    合同校内ロボコンのときに熊本Cの先生からリレーとMOSFETの組み合わせについてヒントをいただき,自作しました.
    ありがとうございました.
  • 外装
    ロボット全体のデザインは,もちろんSLを参考にしています.
    乗り物は,駅から客車に変身するという設定です.
    外装の大部分を当時の1年生1名が中心となって担当しました.
    大物になりそうな予感はしていましたが,まさか,彼が優勝・大賞を獲得するとは….
    基本作業
    発泡スチロールを切り出して,カッティングシートをドライヤーを用いて貼ります.
    発泡スチロールを罫書き線に従って,カッターナイフで切り出します.
    kure 5-56を併用すると摩擦が軽減され,切りやすくなります.
    紙やすりで端面をきれいに揃えます.
    カーブする部分も丁寧に削ります.
    表面の凸凹もなくします.
    ボイラー
    発泡スチロールを丸く削る作業も大変ですが,こちらは資料が見つかりませんでした.
    カッティングシートを大きさに合わせて切り出します. 次に,仮止め用のマスキングテープを貼ります.
    あとは,ひたすらドライヤー片手にしわを伸ばしながら接着します.
    完成です.
    ヘッドマーク
    丸い板を準備して,青色に塗装します.
    文字もこのように塗装します.
    どれだけ,小さいかがわかると思います.
    両面テープをはがしながら,並べると完成です.
    銘板
    文字を切り出して,金色に塗装します.
    このとき飛んでいかないようにマスキングテープで固定しておきます.
    位置を考慮しながら並べて,完成です.
  • フォトギャラリー
    おまけです.
    solidworksの機能で合成写真を作成してみました.
    合成時間に半日かかったようですが….